N LAB
Article 007

真皮にとどまる免疫細胞をリンパ管へ。カラーとサフランがつくる“排出ルート”

真皮にとどまる免疫細胞をリンパ管へ。カラーとサフランがつくる“排出ルート”

肌を守るために働く免疫細胞。しかし免疫反応が長引くと、免疫細胞は真皮にとどまり、コラーゲンやエラスチンの分解や細胞老化を招きます。「Nラボ」では、この状態を「免疫の逆走」と呼んでいます。

では、とどまった免疫細胞を、肌の中から適切に退出させることはできないのでしょうか。「Nラボ」が着目したのは、免疫細胞の通り道となる「リンパ管」と、2つの国産植物でした。

[カラー由来エキスとサフラン由来エキスによる、とどまった免疫細胞の誘導・排出]

免疫細胞の出口となるリンパ管

リンパ管は、余分な水分や老廃物を回収するだけでなく、免疫細胞の通り道にもなっています。役割を終えた免疫細胞は、次の2つの働きかけによって組織から排出されます。

- 誘導(CCL21)……免疫細胞をリンパ管へ呼び寄せる誘導因子

- 排出(インテグリンα9)……免疫細胞がリンパ管への排出を助けるタンパク質

役割を終えた免疫細胞を速やかに退出させるためには、この2つの働きかけが重要であるという仮定のもと、植物由来成分の探索を行った結果、カラー由来エキスは「誘導」、サフラン由来エキスは「排出」に、それぞれ異なる作用を示すことが確認できました。

[免疫細胞がリンパ管へ移動する2つのステップ]

カラーはCCL21を、サフランはインテグリンα9を増やす

リンパ管内皮細胞を用いた試験では、

- カラー由来エキス添加群……CCL21量がコントロール比206.1%

- サフラン由来エキス添加群……インテグリンα9量がコントロール比116%

が確認されました(n=3、試料添加3日後、対照群との比較:p<0.05)。

[図3:カラー由来エキスによるCCL21合成促進と、サフラン由来エキスによるインテグリンα9合成促進]

異なるステップに働く2つの植物由来エキスの組み合わせにより、とどまった免疫細胞を出口へと誘導するだけでなく、排出までサポートすること。これがハリを減らす力を食い止める新しいアプローチになると「Nラボ」は考えています。

「増やす」だけの製剤と、「減らす力」まで食い止めた製剤を比べる

さらに「Nラボ」では、2種類の試験製剤を用意し、継続使用による肌の変化を比べました。

- 試験製剤A……カラー由来エキス、サフラン由来エキス、老化細胞への作用が確認されているアルペンハーブ葉ヤナギエキス、ハリを増やすアプローチに関わる成分を配合

- 試験製剤B……ハリを増やすアプローチに関わる成分のみを配合

8週間(60日間)の連用試験では、試験製剤Aを使用した側でコラーゲンスコアが高まった領域がより広く確認されました。肌弾力も4週間後、8週間後と上昇し、塗布を3週間中止しても使用前を上回る弾力が維持されました。

[図4:8週間連用後および使用中止3週間後の肌弾力・コラーゲン量]


ハリを増やすだけでなく、ハリを減らす力まで食い止めることが、ハリを長く保つうえで重要である可能性が示されました。

今回用いたのは、地下水が自然に湧き出る「自噴井戸」の水で育てた千葉県君津市の水生カラーと、120年以上受け継がれてきた「竹田式」と呼ばれる方法で栽培された大分県竹田市のサフラン。水生カラーは、観賞用として出荷されない規格外の花。サフランは、香辛料となる雌しべを取り除いた後に残る花弁。いずれも、これまで十分に活用されてこなかった植物資源です。 肌を守るために働く免疫細胞が役割を終えた後、適切に退出できる環境をつくること。「Nラボ」はこれからも、植物が持つ力と肌本来の仕組みを掛け合わせ、ハリを保つための研究を進めてまいります。 

※「免疫の逆走」は、免疫反応が持続することで、肌を守る働きがハリを支える構造へ影響を及ぼす状態を表した「Nラボ」独自の呼称です。